有限会社の社長様へ

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はじめに


会社法の施行に伴い、有限会社の新規設立は出来なくなりました。
現在営業中の有限会社の選択は、次の3つが考えられます。


  1.特例有限会社として存続する
  2.株式会社へ商号変更(社名変更)する
  3.合同会社(日本版LLC)に組織変更する

 

 

1.特例有限会社として存続


特例有限会社とは、「従来の有限会社と同様の扱いを受ける『有限会社』という名称の株式会社」のことです。
会社法では有限会社と株式会社は、株式会社に一本化されますが、だからと言って現に存在する有限会社を消すわけにもいきません。そこで、「従来の有限会社と変わらないようにするための特則」を設け、従来の有限会社と同じ組織形態を持ち、旧有限会社法とほぼ同じ規定が適用される特別な株式会社として、特例有限会社を設けたのです。
  

              
2.株式会社への商号変更


会社法では営業継続中の有限会社も実態は株式会社とみなされるので、会社の名前を「○○有限会社」から「○○株式会社」に変更するだけで、株式会社に変更できます。事業規模が拡大して株式会社化を狙っていた会社もありますし、株式会社として起業したかったが諸般の事情で有限会社で事業をしていたのを、この機会に株式会社化してしまおうという有限会社もあります。
             


3.合同会社(LLC)への組織変更


合同会社(日本版LLC)への組織変更は、コストや手間も株式会社への商号変更よりもかかりますので、3つの選択肢の中では、一番対応する企業が少ない選択でしょう。ただ、有限会社よりも柔軟な会社運営が可能な形態ですからこの選択肢は、これから増えてくるかもしれません。 →合同会社についてのご説明はこちら

株式会社への商号変更手続についての検討事項

1.商号


単純に「○○有限会社」から「○○株式会社」にしても構いませんし、会社名そのものを変えても構いません。
  

          
2.役員の任期


従来、有限会社には役員任期はありませんでしたが、株式会社に移行すると役員任期を設定する必要がでてきます。役員任期は原則として、取締役2年、監査役4年ですが、それぞれ最大10年まで延長可能です。対応としては、取締役一人または身内で構成された少人数の取締役の会社ならば長めに設定してもいいでしょう。逆に、取締役の人数が多い場合は短めに設定した方が現実的です。
             
 

3.資本金


会社法による有限会社から株式会社への移行は商号変更によるものですので、特に増資の必要はありません。しかし、会社の信用度や事業融資の問題などを考えると、この機会に増資を検討することも選択のひつといえるでしょう。
             


4.機関設計


株式会社への移行によって機関設計の選択肢は広がります。とはいえ、できるだけ現状の経営体制を維持したい場合は、現在のままの形でそのまま移行しても構いません。しかし、会社の信用度や事業融資の問題などを考えると、この機会に増資を検討することも選択のひつといえるでしょう。 一方、人員を増やし経営体制を強化していきたい場合は、別の形を選択してもいいでしょう。どちらにしろ、会社の現状と将来を見越した上で選択するのがよいでしょう。
             


5.公告の方法


従来の有限会社は、決算公告義務がありませんでしたから、定款に公告方法が記載されていない場合があります。また記載されている公告方法を変更したいという場合もあるでしょう。公告方法は、「官報」、「日刊新聞」、「電子公告(ホームページ上での公開)」の3つの中から選択できます。

株式会社に変更することのメリット・デメリット

株式会社に変更することのメリット

商号に株式会社という文字を用いることができる


株式会社に変更した場合、新たに「株式会社」と名乗ることができます。その結果、社会的信用が上がる可能性が期待できます。


柔軟な機関設計を設けることができる


有限会社では、機関設計として「株主総会」「取締役」「代表取締役」「監査役」以外は置くことができません。しかし、株式会社に変更した場合、上記のほか「取締役会」監査役会」「会計参与」「会計監査人」等を置くことができます。 特に「会計参与」を置いた場合には計算書類の信用性が高まるため、例えば、金融機関等からの融資が受けやすくなったり、貸出金利が下がる可能性などが期待できます。


組織再編を柔軟に行うことができる


有限会社は組織再編手続きとして「合併」「会社分割」以外は選択することができません。しかし、株式会社に変更した場合、上記のほか「株式交換」「株式移転」を選択することもできます。そのため、事業を拡大する場合の選択幅が広がります。

 


有限会社でいることのメリット

取締役及び監査役の任期がありません


株式会社に変更した場合、取締役の任期は2年、監査役の任期は4年となってしまいます。(定款で定める事で10年まで延長することも可能です)しかし、有限会社の場合は、取締役及び監査役の任期は原則としてありません。そのため、数年ごとの役員変更の届出が不要となります。


計算書類の公告義務がありません


株式会社に変更した場合、毎年決算を公告しなければならない義務があるため、公告に伴う費用が発生することになります。 しかし、有限会社の場合は、決算公告の義務がありません。そのため、毎年決算に伴い公告費用が発生することは原則としてありません。

 

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